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子育てパパ・ママに贈る 今日の一言

特集記事

明橋先生からのメッセージ
「いじめられているきみは、ちっとも悪くない」


スクールカウンセラー・心療内科医
明 橋 大 二

 

「あなたはかけがえのない存在」と伝えていこう
なぜ、親にも先生にも言えないのか

多くのいじめ体験に共通することがあります。
まず、いじめは、いじめている人にとっては遊びかもしれませんが、いじめられた本人にとっては、ものすごくつらい、場合によっては、自殺さえ考えるほどのものであること。その苦しみは、いじめられなくなって何年たっても、癒えない場合もあること。
その一方で、いじめは、親にも先生にも、とても言いづらいものであること。親に言えない理由の第一は、親を傷つけたくない、心配かけたくない、という気持ちです。こんなつらい目に遭ってもなお、親のことを気遣う、子どもたちの優しさに胸が痛みます。

また、言えない理由として、自分がいじめられているなんて、恥ずかしいから、みじめだから、というのもあります。
決して恥ずかしいことではなく、むしろ、いじめるほうが恥ずべき行動をしているのに、いじめられている人は、いじめられている自分が恥ずかしい、と思うのです。自分が弱いからだ、言い返せないからだ、自分の性格が悪いからだ、暗いからだ、と自分を責めています。

 相談を受けたとき、絶対に言ってはならない言葉

ですから、いじめられている人に、いきなり、「いじめられるおまえも悪いんだ」「おまえも性格を直さないといけない」「そんなのに負けちゃだめだ。もっと強くなれ」とは、絶対に言ってはならないことです。
ただでさえ、いじめられる自分が情けない、弱い、ヘンなんだと自己否定している子どもたちです。それなのに、ありったけの勇気を出して相談しても、「こんなことぐらいで……」などと言われたら、もうそれ以上相談できなくなります。

「おまえも悪い」などと言う人は、暴力というものが(体の暴力でも言葉の暴力でも)、どれだけ、相手の抵抗する力さえ奪うものかを知らないのです。
このような暴力が、相手に送るメッセージはただ一つ、「あんたは、たいした人間じゃない」「あんたは人間のクズだ」です。
こういうメッセージを送られ続けると、人間はどうなるか。
「自分は、どうせたいした人間じゃない」「自分はやっぱり人間のクズだ」と思うようになります。
そう思うと、従うしかなくなります。要するに、自分への自信を失い、自分の尊さ、自分の価値を信じられなくなります。
自己肯定感が極端に下がるということです。



いじめられて当然の性格や個性など、
あるはずがありません

いじめられている人は、そんなつらい中でも、必死で耐えて生きている、本当にりっぱな人です。決して弱くなんかありません。
子どもが「いじめられている」と相談してきたとき、大人としてまず何より伝えてほしいのは、「いじめられているあなたは、ちっとも悪くないよ。悪いのは、いじめる子なんだよ。いじめてくるほうが絶対に間違ってるんだよ」ということです。
たしかに、子どもの性格や個性にはいろいろあります。
しかし、いじめられて当然の性格や個性など、あるはずがありません。どんな事情があろうと、いじめていい理由には絶対になりません。ですから、いじめる人が間違っているんだし、いじめられる子は、ちっとも悪くないのです。
これは、ある意味で当然のことなのですが、子どもには案外、伝わっていないのです。まず、このことを言葉で、子どもにしっかり伝えてほしいと思います。

 「学校を休ませる」「転校する」も、1つの選択肢

対策を考えるのは、それからです。
学校へ行かない、あるいは、転校することも、1つの選択肢です。そういった方法もあることを、大人はきちんと伝えるべきだと思います。
よく大人は、「そんな簡単なことで学校を休むな」と言いますが、「そんな簡単なこと」では、すでになくなっているから、学校に行けなくなるのです。ところが、学校へ行きづらくなっても、子どもはいじめられていることをなかなか言えません。場合によっては、何年もたって、ようやく言えた、という子もあります。
いじめにあう人は、まじめな、優しい子どもたちです。そういう子どもたちは、学校へ行かなければならないことは、じゅうぶんわかっています。
それでも学校へ行けなくなるということは、どれだけのつらさか、ということをわかってほしいのです。
不登校さえもできなかった、親にも優しい、まじめな子が、自殺している、という事実を私たちはもっと知るべきだと思います。

プロフィール
明橋 大二(あけはし だいじ)

昭和34年、大阪府生まれ。京都大学医学部卒業。
精神科医。真生会富山病院心療内科部長。
児童相談所嘱託医、スクールカウンセラー、NPO法人子どもの権利支援センターぱれっと理事長、「多様な学び保障法を実現する会」発起人。

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【明橋大二先生に聞く】

"どうして、死んではいけないの?"

 私はひどいいじめにあっています。でも、周りの人は死んじゃだめだと言います。理由がわかりません。

 いじめを受けて、死にたいくらい、つらいんですね。そんな中、よく今まで耐えてきたと思います。よく、「いじめくらいで死ぬな」と言う人がいますが、いじめは、時として、死を考えてしまうくらい、本当につらいものだと、私は思います。

しかし、それでも、やはり「死んでもいいよ」とは言えません。なぜなら、まず、あなたが死んだときに、最も悲しむのは、あなたの親だからです。
あなたが死んだとき、最もつらい思いをするのは、あなたをいじめた人ではなく、あなたの親です。
なぜなら、親は間違いなく自分を責めるからです。
「自分が気がついてやれなかったから」
「自分が助けてやれなかったから」……。
あなた自身は、親には非はない、と思っていても、あなたが死ねば、親は必ず自分を責めます。そして、それは一生続きます。
ですから、子どもを自殺で失った親は、もう一生、その苦しみから離れ切ることはないといってもいいのです。



あなたが今、いじめを受けていることの結果が、あなたの命を奪い、親をも不幸のどん底に突き落とす、そんな取り返しのつかないことになっていいはずがありません。
死ぬ以外にも、必ず解決の方法はあります。学校に行かなくてもかまいません。フリースペースなど、学校以外にも、安心して友達ができる居場所もあります。家出をしてもいいのです。今の苦しみから逃れる方法は必ずあります。
ですから、その方法を、身近な相談できる人に話をして、考えてほしいと思うのです。

【浮田美穂弁護士に聞く】

"いじめによる悲劇を防ぐために"

 子どもが学校でいじめられています。親として、何ができるでしょうか。

いじめられている子は、心身ともに傷つき、学校では孤立しています。
まず、子どもさんの味方になって、きちんと話を聴くことが大切です。 無理に学校へ行かせるのではなく、学校を休むという選択肢もあることを伝えてください。休むことは悪いことでなく、学校へ行くことで子どもさんの権利が侵害されるようであれば、休むことも子どもさんの権利です。
そして、子どもさんが、落ち着いて話ができる状況になったら、これまでのいじめの内容を具体的に聞いてください。 加害者や、その日時、場所、行為の特定ができたら、子どもさんの意見も聴きながら、相手の親や学校の先生に、いじめの実態を伝え、改善指導を要請してはどうでしょうか。

相手の親が真摯に事実を受け止めず、学校側にも解決を期待できないような場合は、いじめた子やその親に対する法的な手続きを検討してもよいでしょう。 その場合は、まず、弁護士に相談してみてください。
弁護士は、必要に応じて、加害者側に通知を出し、加害者およびその親、学校など と交渉を行います。緊急を要する場合には、いじめの行為を禁止する仮処分命令を裁判所に求めたり、また、いじめ行為によって生じた金銭的な損害、心理的な損害について損害賠償請求の手続きをしたりします。

いじめというと、その内容が曖昧になりがちですが、いじめの内容が、金銭を要求すれば「恐喝」ですし、暴力を振るえば「暴行」「傷害」になり、れっきとした犯罪行為です。
ですから場合によっては、警察に相談し、刑事事件として、被害届の提出や刑事告訴をすることもできます。

学校の中でのいじめは、刑法に当てはめれば、次のようになります。

・相手を怖がらせて金や物を取る
……恐喝罪(刑法249条 10年以下の懲役)

・体を押したり、手を持って引っ張ったりする。棒でたたいたり、殴ったり蹴ったりする
……暴行罪(刑法208条 2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金)

・殴る蹴るなどして、相手にけがをさせる
……傷害罪(刑法204条 15年以下の懲役または50万円以下の罰金)


・「~は、この前の試験で0点だった」と、みんなに言い触らす
……
名誉毀損罪(刑法230条 3年以下の懲役もしくは禁錮、または50万円以下の罰金)


・「今度リンチしてやるから、覚えてろ」などと言う
……脅迫罪(刑法222条 2年以下の懲役または30万円以下の罰金)


・更衣室や倉庫から出られないようにする
……監禁罪(刑法220条 3カ月以上7年以下の懲役)

 

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